五月人形を飾る時期はいつからいつまで?
五月人形は春分の日を過ぎたころから飾るのが一般的です。飾り始める時期に明確な決まりはありませんが、天気の良い日を選んで飾るのがいいでしょう。
年に一度のお飾りですから、長く楽しむためにも四月上旬ごろまでには出してあげたいですね。
しまう時期にも決まりはありませんが、五月五日の端午の節句のお祝いが済んだらなるべく早く片づけておくようにすると、お人形の傷みも少なく済むでしょう。梅雨入り前であれば空気も乾いているので、カビ防止のためにも五月の晴れの日を選ぶのがおすすめです。
五月人形ってどこに飾ればいいの?
では次に、五月人形を飾る場所について具体的にどのような場所が適しているのか見ていきましょう。
ご家族みんなの目に入る場所
五月人形を飾る場所は、床の間などのインテリアスペースがふさわしいでしょう。
とはいえ、最近は床の間や和室自体がないお宅も少なくありません。
そういった場合は、リビングなど家族が集まる団欒の場に飾るとよいでしょう。ご家族全員で端午の節句の雰囲気が感じられますよ。
また、少し成長して子ども部屋があるお子様には、それぞれのお部屋に飾ってもいいでしょう。子どもの成長を願う人形ですから、できるだけお子様の身近なところに飾るのがおすすめです。
直射日光が当たらない涼しい場所
五月人形を飾る際に注意しておきたいのが、お人形への負担です。
直射日光が当たってしまうと色あせや変色の原因になり、劣化が速まってしまいます。また、エアコンの風が直接当たる場所も劣化を早める原因となります。
直射日光や温風が当たるような場所を避けて涼しい所に飾りましょう。
飾る期間が1か月以上にわたる場合は、家の中に差し込む日光の角度も変わるため、陽の差し込み具合をよく考慮して置く場所を決めましょう。
風通しがよく乾燥した場所
木から作られている五月人形は湿気を嫌いますので、ジメジメした湿気の多い場所に飾ることは避けてください。例えば、キッチンの対面カウンターなどに飾った場合、水ハネした部分にカビが生えたり、飛び散った油で汚れてしまうこともあります。同様に洗面所などの湿気の多い場所も苦手です。風通しの良い乾燥した場所に飾ってあげましょう。
飾る位置や方角について
五月人形は縁起ものですが、飾る位置や方角には特に決まりはありません。
方角よりもむしろ「直射日光が当たらない場所」や「湿気のない風通しの良い場所」といった、お人形の環境に配慮した場所に飾ってあげてください。
五月飾り(鎧)の飾り方・組み立て方
ここからは、五月人形(鎧・兜)の飾り方や組み立て方について説明していきます。
どういった手順で飾っていくか、参考にしてみましょう。
櫃(ひつ)の前に佩楯(はいたて)をたらす
櫃(ひつ)とは唐櫃(からびつ)とも呼ばれ、五月人形を飾るための箱を指します。佩楯(はいたて)は武者の太ももから膝までを防護する鎧で、布地に鉄や革などが縫いつけてあります。櫃の前面に佩楯を垂らしますが、このとき佩楯の帯部分を櫃の蓋と本体の間に挟み込んでしっかり固定します。飾った時に目立つ場所なので左右対称になっているか、ずり落ちていないかといったことを確認しましょう。
面頬(めんぽう)をつるす
面頬(めんぽお)は武者の顔を守る面で、五月人形の場合は頬から下の部分になります。面頬の両側からひもが出ていますので、芯木(しんぎ)の一番上に引っ掛けてつるす形で固定します。芯木に面頬のひもを引っ掛ける切りかけ部分があればそこに引っ掛けるようにしてください。
兜に鍬形(くわがた)、竜頭(りゅうず)を差し込む
兜の差込口に鍬形(くわがた)と竜の形を模した竜頭*(りゅうず)を差し込みます。鍬形はどんな形であれ正面から見てUの字になる形に飾りつけるのが正解です。左右を間違えないようにしましょう。
*お品物によっては竜頭のないタイプの鎧飾りもございます。
脛あてを差し込む
脛あては革や鉄などの硬い素材で脛を守る武具です。脛あてを毛沓(けぐつ)に差し込み、足元に置きます。
全体のバランスを整える
毛沓や脛あてを鎧の足元に置き、全体のバランスを整えます。コツは少し離れた場所から、左右のバランスなどを確認することです。毛沓や佩楯のバランス、面頬が曲がっていないかなど、しっかりチェックしておきましょう。
弓や太刀など、オプション品を飾る
五月飾りの後ろに屏風を立て、弓や太刀などを飾りつけます。弓は矢羽が正面を向くように飾りつけ、太刀は柄が下に来るように飾ってください。向かって左側に弓、右側に太刀がくるのが正しい置き方とされています。木札は全面の向かって左側に置くようにしましょう。
兜飾りの飾り方・組み立て方
次は、一般的な兜飾りの組み立て方や飾り方について確認していきましょう。
飾りつけの際には手袋などをはめるようにすると、跡や汚れなどがつかずに綺麗に飾れますよ。
櫃の上に芯木を載せる
櫃の中に入っている兜や芯木などを取り出します。櫃を置き、中央のバランスがいい位置に芯木を乗せます。
芯木に袱紗(ふくさ)をかぶせる
芯木に袱紗をかぶせます。このとき、袱紗の角が櫃の前面に垂れるようにしますが、垂れすぎないようにバランスを見て調整します。櫃の三分の一程度までなら垂れ下がっても大丈夫です。
兜に鍬形(くわがた)、竜頭(りゅうず)を差し込む
兜に鍬形を指します。鍬形はさまざまな形がありますが、特殊なもの(弦月前立)以外は正面から見てU字形になるように差し込みます。左右の間違いに注意しましょう。さらに兜の中央に竜を模した竜頭*を差し込みます。
*お品物によっては竜頭のないタイプの兜飾りもございます。
芯木に載せる
鍬形、竜頭を差し込んだ兜を袱紗をかぶせた芯木の上に載せます。ここで全体のバランスを見て調整しておきましょう。
弓矢や太刀などのオプション品を飾る
鎧飾りと同じように、向かって左側に弓矢、向かって右側に太刀を飾ります。太刀の柄が下側に来るようにしましょう。
五月人形や兜飾りを飾る・収納する際の注意点
五月人形や兜は芯木を中心として飾りつけていくため、台などにしっかり固定されているわけではありません。組み立ててから場所を移動すると、ぐらぐらと不安定になり、飾りが倒れたりして破損や怪我の原因になります。そのため、必ず飾る場合は先に全体の位置を決めて、五月人形を置く場所で組み立てるようにしましょう。
また、飾りつけや収納の際に手の油や汗などが付着し、金属部分の錆が発生することがあります。きれいな状態を保つためにも、飾りつけや収納は手袋をはめて行うのがおすすめです。
今回は五月人形を飾るのに適した場所や飾る際・しまう際のポイントなどについてご紹介しました。年に一回の端午の節句ですから、ぜひ綺麗に飾って楽しくこどもの日を過ごしてみてくださいね。