五月人形やお飾りにはどんな種類があるの?
お飾りの選び方をご紹介する前に、まずは五月人形の種類についておさらいしましょう。
同じ種類のお飾りでも、場所を選ばず置けるコンパクトなものから大きく立派なもの、お道具とセットで販売されているものなど、商品によって異なります。お部屋の雰囲気や飾るスペースを考慮して、ぴったりのお飾りを選んでみてくださいね。
大将飾り
大将飾りは、兜や鎧を身にまとった人形のお飾りです。
弓や太刀、軍配などをあしらいながら、赤ちゃんのような愛嬌を感じるかわいらしいお顔のものが多く、小さいお子様でも馴染みやすいでしょう。
また、小さいサイズのものも多いため飾る場所を取らず、収納やお片付けも簡単です。
武者人形
武者人形は歴史上の人物やおとぎ話をモチーフにしたものが多く、勇ましさの中に愛らしさが感じられるお人形です。大将飾りよりもよりコンパクトなものが多く、インテリアとしても違和感なくお飾りいただけます。
兜飾り
端午の節句の花形である「兜飾り」は、兜だけでお飾りいただいても見栄えが良く、重厚感や風情が存分に感じられます。五月人形はぜひ兜を、という方も多い、根強い人気を誇るお飾りです。
お人形飾りと同じように、兜飾りも本格的で大きなサイズのものから、飾りやすく小さなサイズのものまで豊富なラインナップがあります。
サイドボードやカウンターテーブルなど、わずかなスペースでお飾りいただけるものもあり、お部屋にも違和感なく溶け込みます。
鎧飾り
災いからお子様を守る鎧飾りは、兜飾りと並ぶ端午の節句の象徴的なお飾りです。
鎧というと大きくて場所を取るイメージが強いかもしれませんが、飾りやすいコンパクトサイズの品物もあります。全体の色見やグラデーション、細部の設えなどもお楽しみいただけます。
華やかさを添えるオプション品も
お人形飾りや武具の他に、端午の節句をさらに盛り上げてくれるオプション品も多数あります。縁起物の鶴や亀をはじめとして、一つひとつ異なる意味が込められた「つるし飾り」や、立身出世を祈願する「鯉のぼり」のお飾りなどが代表的で、最近では自由に名前を入れられる旗などもあります。
何を基準に選べばいいの?兜の選び方
端午の節句の中でも主流なお飾りである「兜飾り」ですが、一口に「兜飾り」といっても大きさやデザイン、細工などによって異なります。これから紹介するポイント参考にして兜飾りを選んでみましょう。
デザインや細工を軸に選ぶ
色合いの鮮やかさや編み目の美しさ、細工の細かさや全体の造形といったデザインから選ぶのも一つの方法です。見た目や形が良いお飾りは、その分職人の技が詰まっています。しっかりと作られたものであれば、色落ちやほつれなどのトラブルも少なく、末永くお飾りいただけます。
まずは、シンプルな兜飾りにするのか、装飾の凝った豪華な兜飾りにするのか...という風に飾りたい兜飾りのタイプを決め、そこから細部に注目していくとスムーズに選べるでしょう。
飾る場所・収納場所を考えて、サイズから選ぶ
飾る場所や収納のスペースを考慮して選ぶのも大切なポイントです。
大きいサイズの兜飾りは迫力がありますが、一方で飾るスペースを作るために家具を移動させなければならなかったり収納でかさばったりと、手間がかかることも。
コンパクトなサイズのお飾りであれば、飾る場所や収納、つどの出し入れなども簡単です。置き場所でお悩みの方やサイズで迷っている方は、小さいサイズのものを選んでおくことをおすすめします。
アフターサポートの有無も重要なポイント
毎年出し入れをする五月人形や兜飾りですから、飾りつけや出し入れの際にうっかり壊してしまった...ということも少なくありません。修理サービスなどのアフターサポートを行っているお店で選ぶのがおすすめです。
兜飾りの豆知識
ここからは兜飾りに関するちょっとした疑問や豆知識についてご紹介します。
「そもそも、どうして兜を飾るようになったの?」「出し入れの時期の目安は?」など、知識を深めて端午の節句を楽しく迎えましょう。
Q1.どうして兜を飾るの?由来や意味は?
そもそも端午の節句に、なぜ鎧や兜などを飾るようになったのでしょうか。
諸説ありますが、日本で「端午の節句」が始まったのは奈良時代といわれていて、元々は中国で生まれた風習でした。日本に伝わった当初は穢れを祓い、豊穣を祈念する催しで、邪気払いに効くと信じられていた「菖蒲(しょうぶ)」や「蓬(よもぎ)」を軒先に吊るすなどの行事が行われていました。
鎌倉時代に入ると、「菖蒲」と「尚武(武道・武勇を重んじること)」が同じ読みであることにかけて、武士の間で盛んになりました。さらに江戸時代になると、端午の節句は公的な行事として幕府に認められるようになり、武士の間で流行していた背景から「男の子の健やかな誕生と成長を祝う行事」として広く普及しました。
このように、兜や鎧、太刀といった武具・甲冑を飾るのは、武士の間で盛んに執り行われてきたことに由来しています。
また、兜や鎧には「外敵から子供の身を護る」といった意味が込められています。
Q2.家族や親戚から兜飾りを受け継ぐのはNG?
兜飾りは、お子様を厄から守り、健やかな成長を祈るためのものです。
そのため、雛人形や五月人形と同じように一人につき一つの兜を用意するのが理想的でしょう。代ごとに飾り付けられるようコンパクトなサイズの兜にしてみたり、お人形を買い足してみるのもおすすめです。
Q3.飾る時期やしまう時期の目安は?
五月人形や兜飾りを飾り始めるのに、決まった日付はありません。
一般的には、4月の半ば頃から飾り始めて5月5日の端午の節句まで飾っておくという方が多いようです。また、しまう時期についても明確な決まりはありません。
端午の節句が終わるとすぐにしまうという方も多いと思いますが、お部屋のインテリアとしても日頃からお飾りいただけます。
Q4.どこに飾るのがいいの?飾る場所に決まりはある?
五月人形をはじめとして、兜飾りや鎧飾りなどを飾る場所に決まりはありませんが、品物の傷みを考慮すると、直射日光や高温多湿を避けられる場所がいいでしょう。
また、収納場所に近いエリアに飾るようにすると、出し入れも簡単に済むのでおすすめです。
今回は五月人形の種類や兜飾りについてご紹介しました。
ぜひ、今回ご紹介した選び方のポイントを参考に、素敵なお飾りを探してみてくださいね。