職人技があつまる人形づくり
お人形のパーツごとに専門職人の高い技術を結集することで、
初々しく勇ましい五月人形が生まれます。
兜
いくつもの工程を経てつくられる兜
兜の鉢と呼ばれる丸みは、鍛金師が金属板から成形した一枚一枚を寸分違わずはぎ合わせて半円球形にかしめます。表面を塗師が漆を施し、箔押師が金箔の装飾を施し、最後に兜の前面に真鍮から切り抜いた鍬形を取り付けて完成。鍛金師の仕事の範囲は広く、鎧も含めて金属部全般を一手に担います。
縅糸
縅糸を使って精巧に編み込む
配色の要となる縅糸(おどしいと)は、房師が正絹糸を使って平打ちの組紐などに編み上げます。鎧の胴体部分やその下の草摺、両腕の大袖、兜の鉢まわりの首を防御する“しころ”など、小札板に編み込んで仕上げます。五色の鎧飾りには、三世・原裕子が縅糸の配色を手掛けたコラボレーション商品もあります。
装飾
伝統技法を駆使した装飾
日本古来の伝統技法によって装飾は制作されています。複雑な形や表面の凹凸に薄い金箔を均一に押す箔押師、鉄や皮の素材を黒塗りや白檀塗りに仕上げる塗師、細かい成形が重要となる鋳物師や彫刻師。たくさんの職人技を結集した美術工芸品としても価値の高い鎧飾りや兜飾りは、見る人の心を惹きつけます。