花香雛 段飾り

生まれたばかりの赤ちゃんをイメージさせる小さくて丸々としたフォルムは、木目込み人形ならではの雛人形です。五人の小さくともふんわりと空気をまとった絹糸の髪型は、美しくも可憐なお雛様をより一層引き立たせています。丸くころんとしたお顔と造形に対して、お衣装はたて糸とよこ糸を組み合わせて細かな柄を織り表す金襴地です。白地に牡丹唐草という、百花の王として格調高い織柄で、昔より多くの方に好まれてきた文様を着せ付けました。上品で落ち着いた伝統的なお衣装と、愛くるしいお姿とのバランスが絶妙なお雛様です。殿姫同様に、お子様の行く末頼もしい成長をお守りする三人官女は、雛人形の華やかでいながら厳かな味わいを豊かにします。かわいいだけでは終わらない、伝えるべき大切な日本文化の美しさをこの場へ現出させてくれます。雛人形として欠かすことのできない三人官女も私たちのこだわりです。飾り方は、段飾り上段に殿姫を、下段へ三人官女を並べます。段のお飾りにすることで立体的な美が強調されながらも、台の幅や奥行きがほぼ変わらない点も大変人気です。