子供大将

卓抜した存在感を放つ大将飾りは五色・原孝洲の誇りです。お顔の表情はまるで愛らしい我が子のようであり、あるいは貴く清廉な仏像のようでもあり・・・。見る側にさまざまな思いを起こさせてくれる、五月人形の代表作です。たくましい五月人形らしく、体の厚みが豊かで着している大ぶりな兜（かぶと）は、江戸甲冑（えどかっちゅう）の名匠として名高い加藤鞆美（かとうともみ）氏の作品です。贅を尽くしたお人形の格に合わせお衣装もさらに追求し、縁起柄が織り込まれたツヤを含んだ最高級絹織物を着せつけました。鎧（よろい）や陣羽織を着込み、動ぜず・騒がずの泰然自若としたさまのうちにも気品が満ち満ち、至極の味わいある作品となりました。台には古式ゆかしい畳台（たたみだい）を用い、屏風は陣幕を模した二引き屏風と、端午の節句に欠かせない弓と太刀を配した五月飾りです。ハレの日にふさわしい五月人形が、お子様の健やかな成長を末永く見守ります。