御所雛

大きなお顔が一際存在感を放つ雛人形です。五色・原孝洲では明治年間に創業以来、三代にわたって人形を製作しております。とりわけ大きな丸いお顔はお子様の純真無垢な姿にも、またその柔らかなほほえみの表情は、仏像にも通じる清らかさをもつと根強い人気を誇ります。この御所雛は現在製作しておりますお人形さんの中では最大サイズの特別な作品です。木目込み人形の素朴な味わいとお顔の迫力、美しいお衣装などこだわりの作品づくりが複合的に絡み合い真似手のない雛人形となりました。お顔の大きさに合わせ、このサイズ感でしか表すことのできない独特の髪型である「おすべらかし」も見応えがあります。絹糸をふんだんに用い、人形の命である髪を大切に結い上げました。あどけなくも品格を兼ね備えたお顔に対し、お衣装も一段とこだわりました。殿らしい紫色に雲立涌文様、姫らしい色に地文は雲立涌、文様は「松喰い向かい鶴」と呼ばれる、どちらも宮中で大切にされた格式ある吉祥文様です。末永くお飾りいただき、お子様の成長を見守るお雛様。まさにハレの日にふさわしい雛人形です。